※こちらの記事は2025年8月25日付の神奈川新聞に掲載された内容をもとに作成しています。


自然と地域と共に、選ばれる施設に
横浜ベイクォーター 20周年へ

水辺の開放的なロケーションに、約８０の多彩な専門店がそろう横浜駅東口のショッピングモール「横浜ベイクォーター」。グルメやファッション、インテリアなど良質なモノやサービスとリゾート地のような空間がたくさんの人に親しまれ、近隣住民の憩いの場にもなっている。２００６年８月２４日にオープンし、来年は２０周年の節目の年。これからも地域に愛される施設を目指す横浜ベイクォーターの、自然環境を意識した取り組みや、地域コミュニティーと連携した活動などを紹介する。




横浜ベイクォーターの一角に、親子連れの歓声が響く。壁に描かれた縦２メートル、横６メートルの絵に、子どもたちがローラーやスタンプで鮮やかな色を加えていく。家じゃないから心配無用。その表情はいずれも輝いている。
神奈川大学美術研究部などと協力し、学生がデザインした絵を壁画として掲げる「ウォールアート」という企画の一コマだ。横浜ベイクォーター５階にある非常階段の壁に彩りを与え、芸術を身近に感じてもらうことを目的に、２０１５年にスタートした。壁画は毎年更新され、１年間近く施設をカラフルに照らす。
２３年には、地域とのつながりをより深めるため、来館者が壁画に絵を描き加える参加型イベントに進化させた。２４年からは、壁画が向かい合って対になるよう２カ所に掲示。中には、同年の壁画テーマ「海」のイメージにあわせてイカの着ぐるみ姿で参加する気合い十分の子も。企画は好評を博している。

（本年度の壁画デザイン）

「２００６年に開業した施設には『住民の新しい暮らしに寄与する、地域内に欠けていたにぎわいと楽しみのある施設を目指す』という思いが込められています。ウォールアートはその思いを体現した一つの取り組みです」。横浜ベイクォーターで企画を担当する一人、前田香奈子さんがそう説明してくれる。
立地する横浜駅東口のヨコハマポートサイド地区（横浜市神奈川区）が「アート＆デザインの街」をコンセプトにまちづくりを進めているということも、企画の背景にある。「アートを通じて連携とにぎわいを生み出していきたいという目的もあり、同じ神奈川区にキャンパスを構える神奈川大学の美術研究部さまと共に取り組みを始めました」と前田さんは話す。

壁画のデザインは美術研究部の学生が案を数点提出し、横浜ベイクォーターのスタッフらと話し合って決める。動物に囲まれた家族の姿を描いたものや、海上に広がる壮大な青空が印象的なもの…。いずれも施設に親しみが湧くような作品が施設を彩ってきている。
今年のテーマは「水中のうちゅう」。８月１６日と１７日の２日間、壁画を完成させるイベントには約６０人ほどの親子連れらが参加した。子どもたちは、くじらの背中にカラフルな星といった思い思いのイラストを描き、一つの作品として仕上げた。



企画の手応えはどうか。前田さんと共に企画に携わる塚本真理菜さんは「アートスポットとしてのイメージが来場する皆さまに根付いた」と好感触を口にする。一方、美術研究部にとっても取り組みは意義深い。
部長を務める柏倉颯月さんは「自分たちのデザインが施設を飾ることにやっぱり特別な達成感がある」と話し、笑顔でこう続ける。「地域の方とつながって活動するのは大きな刺激。この活動を知って入部する学生もいるんですよ」
来年８月の開業２０周年に向け、よりアートをそばで感じられる企画を進めていく予定だ。季節ごとにさまざまなアート作品を展示している３～５階のスペース「ギャラリーＢＯＸ」でも、多彩な仕掛けを考えていきたいという。
「いろいろな取り組みを通じ、横浜のエリアを活性していけるように頑張っていきたい」と塚本さん。柏倉さんも「これからも力を合わせていきたい」と意気込んでいる。



【横浜ベイクォーターからお知らせ】
今年で６回目を迎え、夏の夜を彩る風物詩ともなっているライトアップイベント「横浜ランタンナイト」が９月１５日まで、６階「ベイガーデン」で開催されています。ベトナムの古都ホイアンで行われているランタン祭りを再現し、ランタンの色とりどりの光が屋上庭園を異国情緒あふれる空間に変えています。
期間中は、ベトナム航空の往復チケットが当たるグルメ抽選会を開催。ベトナムの民族衣装「アオザイ」の着付け体験ができる「ベトナム満喫ＤＡＹ」や、愛犬を連れた来場者さまを優先してイベントを楽しめるようにする「ワンワンナイト」など企画も盛りだくさんです。どこを切り取っても写真映えする世界をぜひ満喫してください。

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