TOPICS神奈川新聞連載第2回:テナントと連携し持続可能な社会へー自然と地域と共に、選ばれる施設に

※こちらの記事は2025年11月21日付の神奈川新聞に掲載された内容をもとに作成しています。

自然と地域と共に、選ばれる施設に
横浜ベイクォーター 20周年へ

水辺のリゾート地のような空間に、多彩な専門店が並ぶ横浜駅東口のショッピングモール「横浜ベイクォーター」。良質なモノやサービスを取りそろえるだけでなく、来年の開業20周年、さらにその先を見据え、テナントと共に持続可能な地域社会の実現に寄与する取り組みを進めている。2月に行われた防災ワークショップの模様と、10月にスタートした食品廃棄物リサイクルの試みなどを紹介する。

万一の際に自分や家族にとって必要な品を考え、手軽に持ち運べるボトルに詰めておけばきっと安心なはず―。そんな思いを出発点に、スターバックスコーヒー横浜ベイクォーター店で今年2月に開催されたのが「MY防災ボトルワークショップ」だ。参加したのは子育て中の母親や近隣住民ら10人程。「目が悪いから眼鏡は必要」「避難所でリラックスしたいときにコーヒースティックはどうだろう」。参加者は和気あいあいと話し合いながら持ち寄ったタンブラーや水筒に、各自が非常時に必要とする乳児用のミルクや非常食などを詰め込んだ。

「できたボトルを隣同士で見せ合い、『こういうものも必要ですね』と互いに気付きを得る姿が印象的でした」。スターバックスの同店ストアマネジャーで、イベントの仕掛け人である寺田尚美さんは笑顔でうなずく。

「スターバックスは『人』『地球』『コミュニティ』の三つを大切にした活動を全国それぞれの地域で行っていますが、私自身も地域の方と一緒に何かできないか考えていました」寺田さんは横浜ベイクォーターがある横浜市神奈川区の清掃活動に参加。そこで市職員から若い世代の防災への意識の低さが課題だと聞き、連携を思い立ったという。
「課題と捉えている層と私たちのお客さまの層とぴったり合う。一緒に取り組みができたら大きなインパクトになるかもしれない」。横浜市と協議し、神奈川区、市消防局との3者共催のワークショップが実現した。

スターバックスでみなとみらい地区の統括をする溝口大介さんは「今回の事例をスターバックスの各地区担当者に共有したところ、他の地区でも開催に至った。取り組みの輪は広がっている」と手応えをつかんでいる。


↑近隣住民らが集まった「MY防災ボトルワークショップ」。非常時に必要と考えるものをタンブラーや水筒に詰めた

「地域に根差したショッピングモールとして防災は非常に重要なテーマ。地域の皆さまと『万一』に備える機会をつくる取り組みに強く共感しました」そう話すのは、横浜ベイクォーター営業第二部の前田香奈子さん。テナント側の活動を心強く感じるとともに、「地域に根差す」思いを共有してくれるからこそ進められる施策があるとも強調する。
 
10月にスタートした食品廃棄物のリサイクルの試みはその一つだ。
27店舗ある飲食店から排出される年間200トンほどの生ごみ処理に課題を抱えていたが、その解決に向けて、食品リサイクルを手がける「Jバイオフードリサイクル」の仕組みを導入。微生物の働きで食品廃棄物から発生させたバイオガスを基に、電力を生み出す取り組みを共に進めている。
「リサイクルはごみ排出者の社会的な責務だと認識しています」と前田さんは言い、続ける。「このエリアの未来を築かないと私たちにとっての明日もない。地域社会の一員としての責任とも感じています」年間約40トンの二酸化炭素(CO2)排出量の削減を目指すだけでなく、社内をはじめ、テナント、来場者の環境意識向上にもつなげていきたいという。

横浜ベイクォーターは今後、環境や防災などの取り組みがテナントと一体となったものに広がることに期待を示し、スターバックスコーヒージャパンも賛同を示す。「地域の皆さまの日常に欠かせない居場所であり続けたい」(寺田さん)「地域の皆さまにとって『安心して訪れられる施設』『横浜になくてはならない施設』であり続けたい」(前田さん)。両者の思いは重なっている。


↑(左から)横浜ベイクォーターの前田さん、スターバックスコーヒージャパンの寺田さん、溝口さん

EVENT & TOPICS

ページの先頭へ戻る

scroll